しかし、こういうテレビの制作会社が、ハリウッドの映画制作会社並にひとつの事業分野を確立し、放送局に依存(寄生?)するだけではない、独立した存在になったのには、政府の関与があるのでした・・・。
アメリカでは、上記の3大ネットワークの独占、また独占的な影響力を抑制し、ソフトを生む仕事、つまりコンテンツビジネスを育て、(大好きな)自由競争をやらせるために、1970年からフィン・シンルールという規制が実施されました(1970年米連邦通信委員会で採択)。フィン・シン・・・?中国系の上院議員が提起したのかと思いましたら、正式には、Financial Interest and Syndication Rulesだそうです。
大きな取り決めとしては、
◆3大ネットワークが外部の制作会社が制作した番組の
配給権・販売権・所有権(著作権)をもつことが禁止された。(ひょえーっ!)
◆自社製作番組は、放送後一定期間を経たら市場に放出しなければならない。
同71年には、プライムタイム・アクセス・ルールも導入されました。こちらは・・
◆ネットワーク系列局
(日本で言うと、TBS系列ならMBS(大阪)とかRKB(福岡)とかNBS(長崎))は、プライムタイム(日本はゴールデンと言う、午後7時から11時)の全部の時間を自社の番組で埋めてはならず、月~土のプライムタイム4時間のうち1時間以上はネットワーク以外の番組(外部から購入する)を放送することが義務付けられた。
つまり、放送(オンエアーする)と、制作(番組をつくる、コンテンツビジネス)を分けようよ、
という取り組みですね。分けてしまうことによって、番組(コンテンツ)が市場で流通するようになった・・わけです。また、ローカル局もネットワークの番組をスルーして安穏としないように・・ということですね。ネットワークには悪夢のような日々だったとお察します。
結果的に、制作会社が強大な力を持つようになってしまったとの理由により、1995年に廃止されました(プライムタイムのほうは96年に廃止)。
しかし、今回の「タイラ・バンクス ショウ」といい、「マーサ・スチュワート ショウ」、「オプラ ショウ」、「デイビッドレターマン ショウ」・・などなどを見れば、・・この規制の役割が十分に果たされたことがとわかります。
現実に、彼らパーソナリティも、仮に日本だったら、局に愛され、気に入られなければ、番組に出ることもできません・・
が、こっちでは、テレビ局がまだ知らないような人物でも、おもしろいと思われるものをつくって、最初は小さなケーブルでも大衆に支持されれば、どんどん大きくなる・・・チャンスが与えられたわけです。
マーサ・スチュワートが小さなケーブルテレビでの放送からここまできたのは周知のとおり。
その意味では、コンテンツで勝負するという自由競争ができた!ということかな、と思います。
また、そもそも簡単に「規制」と書きましたが、日本であれば新規参入を規制することがほとんどで、既得権を持つ事業者の専横に規制をかけるというのが・・・おもしろいし、
アメリカですね。